ゲシュタルト心理学とデザイン
ゲシュタルト心理学 Gestalt Psychology
人間の精神を、部分や要素の集合ではなく、全体性や構造に重点を置いて捉える。この「全体性を持ったまとまりのある構造」をドイツ語でゲシュタルト(Gestalt :形態)と呼ぶ(wikipediaより)。
たとえば、私たちは犬を認知するときに、「4本脚で耳が生えていて尻尾があって毛が生えている動物」というような要素の集合として認識せずに、「犬」というまとまった全体として認識する。このような認知における人間のあり方をベースに発展・深化させた学派。ヴィルヘルム・ヴントの構成主義(「要素」によって意識が「構成」されている)に対立する形で生まれた。
「図」と「地(じ)」 Figure and Ground
- 視野に二つの領域が存在するとき、一方の領域には形だけが見え、もう一つの領域は背景を形成する(背景に退く)。背景は不明確で不明瞭。
- ポイントは図と地は固定的でないこと。「ルビンの壺」のように、まったく逆になりうることもある。
- ゲシュタルト心理学の重要概念で、1912年デンマークの心理学者ルビンが唱えた。
プレグナンツの法則 Law of Prägnanz
簡潔化の法則(プレグナンツは「簡潔さ」の意味)。人間が知覚において「まとまり」を見出す性質を観察して原理化したもの。
一般に、マックス・ヴェルトハイマーが提案した「知覚特性の法則」を指す。マックス・ヴェルトハイマーはこの法則を「良い形態の法則(要因)・群化の法則(要因)」と呼び、シンプルで安定した最大秩序を持つ形態は、心理的に「快の刺激(心地良い感覚)」を与えると考えた(Law of Good Gestalt)。
連続の法則 Law of Continuity
人は切れ目や変化の無い線(形)を「まとまり」として見出す。
近接の法則 Law of Proximity
人は近接しているもの同士を「まとまり」として認識する(離れた線同士はグループとして認識されにくい)。空間的なものだけでなく、時間的にも近いものはまとまって認識されやすい。
https://1000ya.isis.ne.jp/1273.html
類同の法則 Law of Similarity
人は同種のものに「まとまり」を見出す。大きさや色、形、向きなど。
http://tramtranx.com/gestalt-theory/
閉合の法則 Law of Closure
人は互いに閉じあっているもの同士(閉じた領域)を「まとまり」として認識する。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Reification.jpg
対称の法則 Law of Symmetry
人は 対象性をもとにした「まとまり」を見出そうとする。
共通運命の法則 Law of Common Fate
人は、動作・運動の同時性によって「まとまり」を見出す。同じ方向に動くものや同じ周期で点滅するものなどが同じグループだと認識されやすい。
https://psychlopedia.wikispaces.com/Law+of+Common+Fate
過去の経験の法則 Law of Past Experience
人は、過去の経験に影響をうけて「まとまり」を見出す。
仮現運動 Apparent Movement
運動知覚の仮現運動。個々の画面は静止しているが、それらを一定の条件下で次々に見せると実際に動いているように見える現象。映像が動いてみえることの原理と考えられている。1912年、ウェルトハイマーが「運動視の実験的研究」を発表した。
静止画の連続によって引き起こされる仮想の運動を知覚する現象をファイ現象 (Phi Phenomenon) という。仮現運動を引き起こす代表的な現象。
主な参考文献)
https://en.wikipedia.org/wiki/Gestalt_psychology#Pr%C3%A4gnanz
http://digitalword.seesaa.net/article/286997605.html
https://ameblo.jp/electricity-nature2012/entry-11472502542.html