三幕構成|Three-act structure

三幕構成 Three Act Structureとは

シド・フィールドが提唱してハリウッドで定着した映画脚本の構造についての考え方。映画のストーリーは3つのパートに別れ、設定 (Set-up)、対立(Confrontation)、解決 (Resolution)から成る。対立=葛藤があり、それが解消されるのがストーリーの構造である。「日常」→「非日常」→「(新しい)日常」という風にも表現できる。

それぞれのパートの転換点を「ターニングポイント」や「プロットポイント」「ポイントオブノーリターン」と呼ぶ。またそれぞれのパート、シーンもまた「三幕構成」に分解して考えることができる。

※ストーリーとは…出来事が時間軸に並べられ、それらが因果関係をもっているもの

モーショングラフィックスにおける三幕構成

時間軸表現には「始まり」があり「終わり」があり、そしてそれをつなぐ「中間部」があります。つまり三幕構成をとることになります。そこで、モーショングラフィックスにおいても、映画における三幕構成の考え方は参考になります。たとえば、以下のような例が考えられます。

  • 「静」→「動」→「静」
  • 「スッキリ」→「ぐちゃぐちゃ」→「スッキリ」
  • 「どっしりした構図」→「不安定な構図」→「どっしりした構図」
  • 「バランスがとれている」→「バランスが崩れる」→「バランスが取り戻される」

また、モーショングラフィックスは短い尺の映像が多くなりますが、そのなかで大事になってくるのは、いかに「解決」を視聴者に与えるかになります。パーツが動く先に、どのような「終わり」があるのかを印象づけることを意識するとよいと思います。最後にロゴを出したあとに、ライトスイープをいれたりするのも、「終わり」の感覚を強調するためという見方もできるかもしれません。

ただ、最近の流行としては、ここまで書いてきた、時間軸を意識した構造・構成が重視されない傾向があるようにも感じています。映像の視聴環境の変化もあるのかもしれません。たとえば、ループ動画などがその例でしょう。

基礎知識

Posted by ASADA